読み物

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  • 猫の四十九日

    浅野さんは新聞記者の間で「伝説の人」なのです。 若いころ、暴力団の動きを探っていて組員につかまり、倉庫に閉じ込められて脅された、そのとき浅野さんの度胸の良さに組長が感心して「あんた勿体ねぇなぁ。組に入らないか」と、ずいぶ...

    読み物 # にゃんこ物語

  • セイロガン

    皆さんの家に常備されている薬箱を開けてみれば、隅っこから茶色い小瓶こびんのセイロガンが出てくるはずです。下痢・食あたりに一発で効くという、日本人が伝統的に頼りにしている薬です。 今は「正露丸」と書いてありますが、昔は「征...

    読み物 # 文ちゃんのことば遊び

  • ハルの親孝行

    子どものいない仲村さんの家では、ゴールデンレトリーバーのハルちゃん(本名ハルカ メス三歳)が子どもみたいな存在です。 仲村さん夫婦は、一緒にアウトドアを楽しむ仲の良い二人なのですが、ときどき派手な口ゲンカをはじめます。 ...

    読み物 # わんこ物語

  • ジョン

    アメリカにジョン・F・ケネディという有名な大統領がいた頃、日本にはジョンという名前の犬がたくさんいました。ジョンは、たいてい雑種のオス犬でした。 友だちの森くんの家にも小学生のとき茶色の雑種のジョンがいて、森くんに尻尾を...

    読み物 # わんこ物語

  • ジャンケン必勝法(下)

    ジャンケンのときの「最初はグー」という掛け声は、後あと出し、先さき出しのないよう、気をあわせるためのようで、昔はなかったけど、最近は皆こうするようになったのです。 やりとりを繰り返しているうちに、しだいに他の客も加わって...

    読み物 # 文ちゃんのことば遊び

  • マルのワンワン

    画家の寺田さん宅には、八歳になる一人息子の治郎くんと同じく八歳になるダックスフンドの雄犬のマルがいる。つまり治郎くんとマルは同い年なので、赤ちゃんのときからマルが治郎くんの面倒を見てきた。 寒い夜は添い寝して温め、泣けば...

    読み物 # わんこ物語

  • ジャンケン必勝法(上)

    友だちに、村田君という男がいます。生まれついてのバクチ好きで、競馬、競輪、麻雀、花札まで、勝負事しょうぶごととなると別人のようになります。 その村田君と二人きりで居酒屋で飲んだある晩、周りを見回し、小声で「金輪際こんりん...

    読み物 # 文ちゃんのことば遊び

  • 酒ぐせのいい猫

    作家の小郷おごうシズ子先生はお酒と猫が大好きな女性です。 いつも五、六匹の猫とともに暮らしていて、猫たちのことを書いた小品も人気なのです。 シズ子先生はめちゃくちゃお酒が強くて、ウワサによれば若い頃は日本酒のお燗をするの...

    読み物 # にゃんこ物語

  • 出世する猫

    ある日、クロ猫の子ども、それも生まれて二、三か月の小さな子どもがうちの庭にあらわれたのです。大人の猫たちを押しのけてエサ箱の中に入ってエサを食べる、たくましい女の子でした。 動物病院で病気はないと診断されたので、友だちの...

    読み物 # にゃんこ物語

  • 足入り肉じゃが

    厳しい書道の先生で知られている立川先生の家に、子猫がもらわれてきました。ソマリと黒猫の雑種でふかふかの毛糸玉みたいなトラコちゃん。娘さんがもらってきた猫なのに、その日から立川先生はトラコちゃんに夢中になって、晩酌のお刺身...

    読み物 # にゃんこ物語

  • 美人のランク

    きれいな人という基準が、最近では解らなくなっちゃった。「あの人、めっちゃきれいよ」というので TV を観たら、女性たちは誰もが、ただ若くて元気がいいとしか映らないのです。そんなショーワ人間は、若い頃、女も知らないくせに「...

    読み物 # 文ちゃんのことば遊び

  • 老いのいましめ

    のほほんと、能天気な日々を過ごしているのですが、ある日、「お前のことだよ」と刃物を突きつけられる思いをすることがあります。「老齢化と介護」。八十歳は当たり前、今や人生百歳時代到来と、長寿をいいことのように世間では言ってい...

    読み物 # 文ちゃんのことば遊び