読み物

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  • 未完成こそ

    京都東山にある浄土宗総本山・知恩院ちおんいん。その本堂伽藍がらん・御影堂みえいどうの大きさ、完璧な構造と荘厳さは、息を呑むほどです。しかしこの屋根裏の垂木たるきの上には、なぜか一本の唐傘からかさが今も残されている、それも...

    読み物 # 文ちゃんのことば遊び

  • はずかしい思い出

    お祖父さんの代から続く肉屋さん金岡商店は、まちの誰もが知っているお店です。 店主の金岡さんが小学生の頃、ペスという茶色のオス犬を飼っていたのですが、この犬がサービス精神のかたまりで、お客さんに声をかけられると、ちぎれるほ...

    読み物 # わんこ物語

  • 特別なご招待

    小林さんは「犬好き」というより、「犬から好かれる人」と言った方があたっていると思います。 地方の国立大学の研究員で、三十代独身、イケメンではないが健康的。 その小林さんが夕方アパートに帰ってくると、女性、といっても茶色の...

    読み物 # わんこ物語

  • 謝礼金

    その頃スナック・バーという形式の店が流行り出したので、行きつけの喫茶店も夕方 5 時からは、タケちゃんというバーテンダーが入ってお酒と軽食を出すスナックとなりました。タケちゃんは四十がらみの女房持ちで、なかなか味わいのあ...

    読み物 # 文ちゃんのことば遊び

  • あやしい足跡

    営業マンの加藤さんは、田舎の支店から都会の本店に栄転して、うれしいんだけど困ったことがある、と言う。困ったことは、飼い犬のタローの散歩だった。 それまでは田舎道を散歩させていたのだけれど、都会に移り住んだら、周りはアスフ...

    読み物 # わんこ物語

  • ナッキー行方不明事件(下)

    ナッキーが来た夏から一年たって、あちこちで花火大会が開かれる季節になりました。 ナッキーは花火の音が大嫌い。花火が上がるたびにぶるぶる震えているので、台所の板の間に入れてドアを閉めていたのですが、ある花火の夜、いつのまに...

    読み物 # わんこ物語

  • ナッキー行方不明事件(上)

    うちの母が朝、家の裏の広い駐車場のお掃除をしていたとき、段ボールを見つけ、中に入っていた白い子犬を抱いて帰ってきました。 父がお尻をたしかめて「オスだから飼ってもいいだろう」と言いました。でも、あとでペット病院へつれて行...

    読み物 # わんこ物語

  • どどいつ

    どどいつ、といっても、今の方はたぶん知らないでしょうね。江戸時代後期に流行はやりだした三味線伴奏の俗曲のひとつで、「都々逸」と書きます。芸者、遊女など花柳界かりゅうかいを中心にめんめんと唄いつがれて、昭和三十年代まではラ...

    読み物 # 文ちゃんのことば遊び

  • 怪力なっちゃん

    私の家は、親の代から住んでいる古い一軒家です。 両親が亡くなり、メスの日本猫のなっちゃん(本名なっとう)と暮らしているのですが、なっちゃんは小さいころから驚くほどの力持ち。仲良しの外猫のお兄さんが庭からニャーと鳴くと、台...

    読み物 # にゃんこ物語

  • マンションの闘い

    五階建てのマンションの、最上階の五階で私と猫のクリは暮らしています。 ときどきノラの黒猫がやってきて、エサを食べたり、クリと遊んだりして帰っていきます。クリは去勢したオス猫ですが、その黒猫とは相性がよいらしく、仲良しなの...

    読み物 # にゃんこ物語

  • 論語を読む

    今はどうか知りませんが、昔は高校の必須科目に漢文という授業がありました。それこそチンプンカンプンで手こずった覚えがあります。 その中には、「論語」という章があり、孔子という偉い人の言葉が書かれていました。たとえば、  ▽...

    読み物 # 文ちゃんのことば遊び

  • できの悪い子

    人間の世界ではよく、「できの悪い子ほど可愛い」というけれど、猫にもできの悪いのがいて、うちのミケ子が生んだポン助などは、誰が見てもできが悪いのです。 ポン助は今年二歳で、堂々たる大きな体。ついでに鼻もテングザルのように大...

    読み物 # にゃんこ物語