私の叔母さんは、ご主人が刑事さんでしたが、退職後は二人で田舎暮らしをしています。その叔母さんの話です。
田舎の一軒家なので、誰にも文句は言われないから、ノラ猫がにゃーにゃー鳴いてくると、台所の戸の外にエサを出してやっていました。
去年の冬の夜、叔母さんが一人でコタツに入っていると、台所でトントン、トントン…という小さな音がしました。何だろう、と戸を開けてみると誰もいません。またコタツに戻ってしばらくすると、トントン、トントンと戸が叩かれました。
今度はそぉっと戸を開けてみると、子どもを二匹つれた狸の親子がいました。そして、いつも来るノラ猫が付き添っていたのです。
叔母さんは「ええーっ」と驚きながら、夕食の残り物を出しましたが、それにしても、狸が戸を叩くって本当にあるんだ、と大笑い。
それから半年くらい狸が通って来たそうです。猫と一緒に……。
(カオルコ)