ネコの愛らしさは、言葉では言いつくせない。朝起きて「ミーちゃん」と呼ぶと、みゃーと答える声の可愛いさ。新聞を読んでいると、わざと新聞の上に乗って、じゃまをする。抱いていると、ふいに身をよじって、どこかへ行ってしまう。みんな可愛い。
「ミーが死ぬようなことがあったら、オレと一緒の墓に入れるんだ」と言ったら、カミさんが大反対。「どんなに可愛くてもネコと人間は違うんです。一緒のお墓に入るなんて、私は許しません」と怒る。そうか、お前がそういう気持ちなら、オレにも考えがある、と思い、うちの墓地に自然石でネコの小さな墓を作った。そして、「人間の墓にネコを入れてはいけないと言うのなら、オレはネコの墓に入るから」と言ったら、カミさんは黙ってしまった。でも、きっとオレより長生きしてネコの墓に亭主の骨をゼッタイ入れさせないようにしよう、と思っているに違いない。
(村岡)