友だちの家は山の上の、ほんとうの田舎です。四歳になるメス猫のミミちゃんを飼っているのですが、ある日、ミミちゃんは夕方になっても帰ってきませんでした。二、三日待っても帰ってこない。「心配で、心配で」と私のところに電話がかかってきました。それで、みんな手伝って探したけれど、どこにもいないのです。
友だちが「隣のおじさんの軽トラの荷台に乗るのが好きだから、もしかしたらシートの下に寝ていてそのまま街へ下りてしまったんじゃないかしら」と言うので、「えーっ」とビックリ。さっそくミミちゃんの写真を使ってチラシを作り、街のあちこちに貼りました。「首輪にミミという名前と、電話番号を書いてあります。見つけた方はご連絡ください」。
そして、二か月後、やさしそうな声の女性から電話がありました。「お探しの猫ちゃん、うちで保護しています。あんまり汚れていたのでシャンプーしました」。ミミちゃんはガリガリにやせていたけれど、シャンプーの良い匂いをさせて無事帰ってきたのでした。良かった良かった。ほんとに良かった。
（平川さん）
