年金生活者のチズ子さんとお隣の奥さんは、ほぼ同じ年代の一人暮らしで、猫好きという点でも共通しています。
おまけにチズ子さんちのポチ太はしょっちゅうお隣に行って、奥さんが用意してくれたカゴの中で昼寝しているし、お隣の白猫ナナちゃんはなぜかチズ子さんちの二階にきて、ポチ太が入らない猫用ベッドに長逗留し、とうとう晩ご飯まで食べてお泊りしていく、など、おたがいにお泊りごっこが好きなのです。
ある日、ポチ太が帰ってこないので、チズ子さんはお隣に尋ねたけれど、うちには来てないというし、まわりの敷地を探してもいないし、日は暮れてくるし……。
夜10時頃、まっくらになった庭を探していたら、どこかで「にゃー」という声がしました。「にゃー、にゃー、にゃー」。声のする方へ行くとお隣の奥さんの車の中からポチ太が「閉じ込められました」となさけない顔をして助けをもとめているのでした。ほっと安心したチズ子さんは、わざとつんけんして言いました。
「奥さんはもう寝ててキーは借りられないからね。あんた明日の朝まで閉じ込められてなさい」。
(KIMI)