富山の置き薬、というのがありますね。風邪薬や腹薬を家庭に預けておいて、何か月かに一回、飲んだ薬の分だけお金をもらっていくシステム。
このあいだも、富山の薬屋のお兄さんがきたのですが、玄関に出てきたうちのネコを見て、「可愛いですねー。ぼくもアメショーを飼ってるんですよ。昨日から帰ってなくて心配なんですが…」と言いました。
すると、それを聞きつけたいじわるジイさんの父が、茶の間から出てきて「そりゃあ大変だよ。三味線はネコの皮でつくるし、飼い猫のほうがキズしていないから喜ばれるんだってさ」と、言ったのです。お兄さんは見る見る青くなって、薬の計算をする手もふるえていて、「すみません。頭が真っ白になったので、またきますッ」と言って帰ってしまいました。
いじわるジイさんは大変うれしそうな顔をしていました。…ったく。
(三崎)