
心で奏でる、郡山の二胡の調べ
以前、テレビで見た女子十二楽坊の演奏に魅了されたことをきっかけに設立された「二胡クラブ」。その中でも、中国の伝統的な弦楽器である「二胡」を愛し、その音色に心を重ねるメンバーが集うこのクラブは、2005 年 10 月に設立されました。
設立からおよそ 20 年、いつまでも変わることのない情熱で日々練習に励んでいるとのことです。今回はその歩みと魅力に迫るべく、会長の安達さんと副会長の宮本さんにお話を伺いました。
設立当初は 6 人のメンバーからスタート。現在は 9 人にまで増え、女性 8 人・男性 1 人という構成です。年齢層は 60 代から 80 代までと幅広く、設立当初からのメンバーも3人在籍されています。
のちに新しく加わったメンバーは、それぞれがクラブに加入する前に別の教室などで二胡を学んだことのある経験者ばかりだそうです。かつては、郡山市内の温泉施設や商業施設などから依頼を受け、年に何度も演奏活動を行っていましたが、コロナウイルスの流行によりその活動場所は大きく縮小され、現在は柴宮地域公民館で行われる文化祭が唯一の演奏の舞台となっています。
「二胡は、もともとは中国の大道芸人がステージで演奏するための楽器でした。普段の練習ではメンバー全員でやりたい曲を出し合い、そこから 1,2 曲を約 3 カ月かけて練習して丁寧に仕上げていきます。練習中は、全員で気持ちをひとつにして感情をこめて演奏することを特に大切にしています」と、安達さん。また、宮本さんからは「上達する速さは人それぞれなので、いかに集中して練習に取り組めるかが大事ですね。実際に自分で演奏をするようになってから、中国ドラマの中で流れる二胡の音色につい耳を傾けるようになりました」とお聞きし、練習をとおして異国の音が日常に根付き、それが人生そのものを豊かにしてくれているように感じました。「実際に二胡の演奏を生で聴いたり、異文化に触れるということはとてもいい経験になりますね」と、安達さん。
ひとつひとつの音に演奏者のこれまでの人生やそれぞれの想いが込められている、「二胡クラブ」はそんな温もりのある音楽の場を今日も守り続けています。
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