
(番外編) こおりやま市民演劇祭が 8年ぶりに開催
こおりやま市民演劇祭は、郡山市民文化祭主催行事として、2000 年、2004 年、2010 年、2016 年と、数年に一度開催されてきましたが、コロナ禍の影響でしばらく途切れていました。それが、今年 8 年ぶりに開催されることになったのです。
市内のアマチュア劇団員や演劇経験のない郡山市民からも広く参加者を募り、郡山にゆかりのある題材でオリジナルの台本を書き、スタッフ・キャストが力を合わせて舞台を創るのが、こおりやま市民演劇祭の醍醐味。今回は、郡山ゆかりの作家、宮本百合子を題材に、1945 年、戦争が激化する中、開成山で過ごす百合子の生き方と、まわりの〝愛しき人々の群れ〟の物語が描かれます。

作・演出は、郡山演劇鑑賞会事務局の大野沙亜耶さん。「以前から宮本百合子に興味があったのですが、詳しくは知らなかったので、今回台本を書くにあたり、全集を読んで自分なりに調べました」。5 月に題材を決めてから完成したのが 9 月。出演者が増えるに連れて、登場人物を増やしたり、手直しを重ねていったそうです。
「主人公が自分の心情を吐露するのに、ナレーションを付けるのではなく、百合子の多面性を現す意味でも、自分自身との対話を途中で思いつき、〝ユリ〟というもう一人の百合子を登場させることにしました」。戦争時代の話を聞くことも少なくなっている今、この演目を通して、過去に生きた人たちの声を聞く機会になれば、と大野さん。
下は小学 3 年生から上は70 代まで、幅広い年齢層のキャストの皆さんが、一人何役も演じる今回の演目。ほぼ毎日、学校や仕事が終わってから夜遅くまで、一生懸命に練習を重ねています。「市民の皆さんに、演劇のすばらしさを知っていただけたら嬉しいです。ぜひ、多くの方に見ていただきたいですね」と、運営委員長の新田洋子さん(あさかの子ども劇場)と、運営委員の町聡子さん(郡山演劇研究会「ほのお」)も、演劇祭にかける思いを聞かせてくれました。
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