郡山市で第1号のファミリーホームを運営

特定非営利活動法人 ファミリーホームいぶき
理事長兼ホーム長 仁井田三枝子さん

ファミリーホームは、家庭の事情で親と離れることになった 0 〜 18 歳の定員 6 人の子どもたちが生活する小規模住居型児童養育施設です。仁井田さんが運営する「ファミリーホームいぶき」は、県内 2 ヵ所目、郡山市では第 1 号として、平成 26 年 7 月に。そして、令和 3 年 11 月には、第 2 号となる「ファミリーホームゆづき」を開所しました。

「昨年、開所 10 年目でありがとうの会を開かせていただきました。ここを巣立った子どもたちも来てくれて、日頃お世話になっている方々に感謝を伝えることができました」と、感慨深い様子の仁井田さん。

仁井田さんはかつて、白河市の児童養護施設に勤務していました。「そこには郡山から来ている子が多かったんですが、郡山には施設がなくもどかしく思っていました」。その結果、仁井田さんは「自分がやろう」と決断。何をすればいいか全くわからない中、厚生労働省に話を聞きにいったり、行動していきました。その頃制度が変わり、小規模住居型児童養育事業としてファミリーホームが法定化されたこともあり、ファミリーホームいぶきを立ち上げました。

「様々な事情を抱えた子どもたちですが、皆、たくましく育ってくれています」。家庭のような環境で、子どもたち一人ひとりと向き合いながら、自主性や人間性、社会性、自立心などを養えるようサポートしています。「自然に年上の子が下の子を面倒みたり、言われなくてもお手伝いをしたり、一緒に料理をしたり、そういう成長が見られるのも嬉しいですね」。

預かる子どもの中には自閉症や発達障害を持つ子もいて、仁井田さんは 10 年前、大学に編入し通信で心理学を、続いて社会福祉を学び、認定心理士や社会福祉士の資格なども取得しました。現在は、全国のファミリーホーム協議会の理事や、郡山から白河方面の里親会の会長も務め、多忙な日々を送っています。「これからは、力のある若い人たちが伸びていってくれるよう、人材育成の方にも力を入れていけたらと思っています」。

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