
オリジナル商品を通じて福島の魅力を発信
郡山市大町にある丸栄ふとん店は、創業106年目という老舗。その3代目として家業を受け継ぎ、オリジナルブランドのアイテムを企画・開発するなど活躍しているのが、片田尚子さんです。
「当店は、ふとんと一緒にわたも販売していたので、長年〝わた屋〟という愛称で地域の皆さんに親しまれてきました。時代も変わり、従来品を販売するだけではいけないと思い、2015年から、オリジナルブランドの『wa.ta.ya』を立ち上げたんです」。会津木綿のガーゼハンカチや最新では、蚊帳の素材を使い、福島の空の移り変わりを5色で表現するという斬新なハンドクロス「sO‐la」など、いずれも、一本の水路ブランド認証を受けています。
オリジナルの商品で福島の魅力を伝えたい、と片田さんが強く思うようになったのは、震災後のあるできごとからでした。
「他県でガーゼを販売していたとき、『福島って住めるところなの?』って言われたんです。びっくりしてしまって。情報が伝わっていないのかと思いました。だからこそ、福島をモチーフにしたような商品づくりをして、県外の方にも福島を知っていただくきっかけになれば、と思ったんです」。
そこから、猪苗代湖の白鳥をモチーフにしたり、福島の空をイメージしたりというアイデアにつながったのですね。「これからも、わた屋として、天然素材の綿にこだわり、心地のいいものをご提案していきたいです」。これまで、マルシェや地元のイベントに参加したりと、積極的に活動を続けている片田さん。これからは「インバウンドを意識したにぎわい作りも考えたいですね」と目を輝かせます。
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