
お世話になった人と場所に恩を返したい
今回から月一で郡山のアマチュアミュージシャンを紹介します。第一回は市内の託児施設で働きながら、シンガーソングライターとして活動する甲斐大河さん。甲斐さんは郡山生まれ郡山育ちの 22 歳。音楽人生の始まりは郡山五中の合唱部でした。高校で軽音楽部に入るも先生と合わずに退部し、学校もサボりがちに。「レールから外れてしまったような、すごく大きな挫折感があったんです」と当時の心境を語ります。
そんな時出会ったのがライブハウスとそこに集まる個性的な人々でした。「年齢も職業も様々な人たちと出会って、生き方って一つじゃないって思えるようになった」と甲斐さん。そして仲間の薦めでアコースティックギターの弾き語りを始めます。
大きな転機となったのは、県内最大のフェス「風とロック芋煮会」で開催されたプロ・アマ、県内外問わず弾き語り日本一を決める「アコワングランプリ 2019」でした。そこでキャリア 2 年ほどの彼が大方の予想を裏切って優勝。2 万人を超す観客を集めるイベントのステージに立ち、堂々のパフォーマンスを披露しました。
しかし、直後にコロナ禍でライブハウスが「クラスターの温床」と報道され、閉鎖や休業という危機的状況に追い込まれます。彼もライブが中止になるなど、大きな影響を受けました。「この期間に自分のルーツや信念を見つめ直した」という彼は、今年動きだす決意を固めました。
彼が今一番に思うのは「お世話になった人、大切な場所への恩返し」です。8 月 21 日には、自分を受け入れ、育ててくれた場所で初の自主企画ライブを開催します。(詳細は彼の SNS をご覧ください)
「いつも見てるウィークリーに僕が載ったら、お母さん喜ぶだろうなぁ」と女手一つで育ててくれた母への感謝を常に忘れない彼の歌は、優しく郷愁に満ち、時代を選ばず全ての年代に響くはずです。彼の原風景である下亀田周辺で撮影された MV「慕情」は故郷への思いを綴ったおすすめの一曲です。
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