10年ほど前、うちの団地にゴールデンレトリーバーを飼っている女性が引っ越してきました。一人暮らしの看護師さんで、犬は「ガンちゃん」という名前の男の子でした。表札には自分の名前と並べて「大迫ガン」と犬の名前も書いてあって、親しくなったときの話では、「ガンは私の生きがいなの。ガンが死んだら私も死ぬわ」と言って、ご近所人々を驚かせたものです。
ところが何年かたって。ガンちゃんが亡くなったのです。その人は顔じゅう涙だらけになって泣いていました。「まさか一緒に死ぬなんてことはないでしょうね」とご近所で心配して、数日後、そろーっと様子を見に行ったら、なんと、ビックリ!はやくもパグ犬の子犬を買ってきてにこにこ顔で抱きしめていたのです。「裏切り者!!」と呆れたけれど、ほっと安心したご近所でした。
(望月)