#わんこ物語

昭和の名犬アオメ

わんこ物語の最初は、カッコ良かった昭和のシェパードのお話をしましょう。

昔の陸軍は軍用犬を大事にしていました。敵の居場所を教えたり、ご主人を助けて敵をやっつけたりと、戦地で大活躍した軍用犬はほとんどがシェパードだったんですね。

昭和 30 年頃、糸田さんちに飼われていたアオメ号は、戦後の生まれでしたから、自分は戦争に行っていないけれど、お父さんのケル・大和魂やまとだまは名古屋第三師団の軍用犬、お母さんのアンミ・南大阪も軍用犬として満州で名誉の戦死をとげていました。

でも、娘のアオメ号は、平和な時代に子どもをたくさん生んで、おだやかに幸せに暮らしていたのです。

そんなある日の夕方、事件が起きました。

いつもスジ肉を買いに行く肉屋さんの隣に、うるさい土佐犬の雄がいました。土佐犬からいくら吠えられても知らんぷりをしていたアオメが、その日はついにリードをつけたまま土佐犬に向かっていったのです。大きな土佐犬に殺されるッと思った糸田さんの奥さんは「やめて、やめて」と泣き叫びました。しかし、1 分もたたないうちに、アオメは土佐犬の喉元に噛みついて相手を黙らせていたのです。見ていた人たちから「すごい!」の声が上がりました。

そんなアオメが一番好きだったのは、小学校の運動場でした。子どもたちが帰ったあとのスベリ台にのぼって、お尻をペタンとつけて滑りおりるのです。もう、何回も何回もはしごをのぼっては、滑りおりる。

昔、スベリ台を滑っているシェパードを見た方がおられたら、それがアオメですよ。

(KIMI)