森フジ子さんは、愛犬を亡くして淋しくてしかたがないので、保護犬を飼いたいと申し込んだのだそうです。
ところが年齢が八十歳だからと断られました。お友だちに話したら、ブリーダーの老犬を紹介してくれたそうです。
セリちゃんというそのシーズー犬は、何十回も子どもを産まされて、お腹もお乳もたれ下がり、環境が悪かったのか臭くて汚れていました。何度も洗ってあげて美容院に行って、きれいになったのですが、人に可愛がられた経験がないので、まったく無表情。名前を呼ばれても反応しない。散歩もこわくて行けない。
森フジ子さんがすごいのは、そのセリちゃんを一年かけて馴らしていき、愛情をたっぷりそそいで、みごとに変身させたのです。
お天気のいい日には、通りに面した玄関に椅子を出してフジ子さんが座り、その横の小さな机にセリちゃんが座っています。「あら、セリちゃん」と声をかけられると、うれしそうに尻尾をふるセリちゃん。
「よかったねー」とみんなから言われているセリちゃんです。
(サナエ)