#わんこ物語

お母さんの心配

さくらちゃんは白い、ほっそりとした、女の子らしいわんちゃんです。飼い主のお父さんは体重が 100 キロを超えるという堂々たる体躯の柔道の先生。毎朝、さくらちゃんをつれて、近所の坂道を散歩しているのですが、「さくらはもう 16 歳になるんですよ。毎朝、起きて散歩に行けるかなーと気をつかっています」といいます。でも「僕が毎日体を拭いてやって、月に一度は一緒にお風呂に入るんですよ」とお父さんはうれしそう。体重 100 キロ超のお父さんと、細いおとなしい白犬が一緒にお風呂に入っている光景はほほえましいですよね。

ところがお母さんは「さくらがいつまで生きていてくれるか、心配」といいます。さくらちゃんが死んでしまうのが心配なのかと思ったら「いえ、さくらが死ぬことじゃなくて、さくらが死んだらお父さんが立ち直れないんじゃないかと思って」。たしかに、お父さんが心配ですよね。

(KIMI)