#わんこ物語

「ばか犬」だったアダ・ロクタ

鹿田ろくたさん夫妻は子どもがいないので犬を飼いたいと思って、知り合いからシェパードの女の子を譲ってもらいました。

血統書つきのシェパードですから、ドイツ名のデルネという名前がついていましたが、その女の子は可哀そうなことに最初のお産で力尽きて死んでしまいました。あとに残されたのは、なんと十一匹の赤ちゃん犬でした。

鹿田さんの奥さんは湯たんぽを二つ入れた箱に十一匹の子犬を入れて、スポイトでミルクを飲ませたのですが「最後の一匹にお乳をやり終えたら、もう最初の方の子どもがお腹を空かせて鳴いてたりして、夜中の授乳も大変でした」といいます。

それでも二か月後には全員まるまると太った可愛い小犬に成長して、つぎつぎもらわれていきました。みんなお利口そうな中で一匹だけ、オシッコで濡れた床に平気で眠り込んでいる女の子がいて、鹿田さんのご主人から「こいつは、ばか犬だな」と言われていました。でも、育ての親の奥さんはひそかに、この子は大物だと思っていて、その子だけを手元に残したのでした。

それがのちの関東チャンビオン、アダ・ロクタになるのです。これって、偉人伝、じゃなくて偉犬伝?

(KIMI)