三段論法というのがありますね。A=B…A=C ゆえに B=C という論理です。
「すべての紙幣には偉人の肖像画が載る。北里柴三郎は新千円札の肖像画になった。ゆえに北里柴三郎は偉人である。」という具合。西洋の哲学者たちが考えた論理学の一例ですが、こんなものに感心していてはいけない。わが日本には、その上を行く八段(?)論法というのがあります。
「風が吹けば桶屋が儲かる」というやつです。桶屋は昔、どの町にもあって、漬けもの桶、用水桶、大きいものでは風呂桶なんか作っていましたよね。
さて、風が吹くとなぜ桶屋が儲かるのか。
①風が吹くと埃が舞い上がる。②埃が目に入って眼病になる。③眼病がひどくなって盲目になる人が出てくる。④盲目の人は、三味線弾きになって稼ぐ。⑤三味線は猫の皮でつくるから、猫がいなくなる。⑥猫がいなくなるとネズミが増える。⑦増えたネズミが桶をかじって桶をこわす。⑧みんなが新しく桶を買うから桶屋が儲かる。
これは八段論法というより、突拍子もないコジツケですね。でも今でもこんなコジツケ論法が、国会の答弁で使われることがあって、「お見事!」と思わず手をたたいてしまいます。