相づち

会話の上手じょうず下手へたは、しゃべり方の巧みさにあるように言われるけど、実はそうではない。相手の話をよく聞くこと、そして良いタイミングで相づちを打つことだと思います。まじめに、まともに聞いてくれると、話すほうも思わず本音ほんねまでしゃべってしまう。

 その相づちというのは、
 ナルホド、ヘェー、いいね、ふんふん、うまい!
 などですが、やはり一番は、
「おっしゃるとおり」でしょう。しかしこの相づちは、言い方ひとつで、妙にそらぞらしくなってしまいます。

 むかし、会社の同じ部に入ってきた仲間に横井君がいました。これが「おっしゃるとおり」を連発するのです。仕事もでき、人付き合いも問題ないのですが、この相づちを繰り返すのには、ちょっとイラついたものです。
「あなたねぇ、その言葉づかい、やめた方がいいよ。人の話をまともに聞いていないように感じちゃう」
 ちょっと言い過ぎたかな、と思ったら、横井君、「うん」と素直にうなずいて、
「おっしゃるとおりです」
 いかりや長介なら、だめだこりゃー、と言うところですね。