戦後、昭和二十年代までは、子どもたちが夕食のあと、『夜回り・火の用心』のまねをして呼びかけるように唱っていました。
「カッチ・カッチ火の用心。マッチ一本火事のもと。父さんタバコに火の用心。母さんカマドに火の用心。子どもは火遊び止めましょう。一軒焼いても国の損」。
この「一軒焼いても国の損」には戦前、戦中のもの哀しい味がしますね。
ところで、マッチ(英語でmatch)が、日本に入ってきたのは明治8年だそうです。日本人はさぞ珍しがっただろう、なんて思ったら、そんな甘いものではありませんでした。翌年には、量産に成功して輸出するようになり、大正時代のはじめには世界有数のマッチ生産国になったというのです。中国もインドも、その他たくさんの国々が日本のマッチを使っていた黄金時代があったわけです。
そのマッチを王様の座から引きずりおろしたのは、なんといっても百円ライターでしょうね。
今ではマッチの生産量もめっきり減っただろうな、と思って、スマホで調べてみたら、「マッチ〇○やばい」とか出てきて、火の用心のことかと思ったら、なんとマッチングアプリという婚活サイトのことでした。