日本人は愛子さんのことを「アコちゃん」、和子さんのことを「カコちゃん」美津子さんのことを「ミコちゃん」と呼んだりしますが、秀子さんのことは「ヒコちゃん」じゃなくて「デコちゃん」と呼ぶんですね。
で、日本で一番有名なデコちゃんといえば、日本映画の全盛期に唯一無二、ピカイチの女優だった高峰秀子さん。今年は生誕百年という記念の年であります。(1924年生まれですから)昭和の名女優の百年という節目に、今、高峰秀子という個人を超えて、昭和レトロブームという静かな波紋が広がっているようです。
ムムッ、高峰秀子さんをご存じない? あなた、年はおいくつ? 五十歳? ふうん。
高峰秀子さんはね、1929(昭和四)年、わずか五歳で子役としてデビュー。以来五十年の間に百八十本の映画に出演(三百十本説もある)、生涯女優としての魅力と演技力をいかんなく発揮したすごい人です。
思いつくまま戦後の代表作を上げると、『カルメン故郷に帰る』『二十四の瞳』『浮雲』『喜びも悲しみも幾年月』『名もなく貧しく美しく』『放浪記』などです。特に『二十四の瞳』は木下恵介監督と組んだ名作で、瀬戸内海・小豆島の小学校教師を演じるデコちゃんと十二人の子どもたちの物語が情緒豊かに描かれて、何度観ても涙々です。私は、スクリーンを通して高峰秀子さんと同じ時代に生きられたということが誇らしく幸せだったと、つくづく思います。デコちゃーん。百年おめでとう!!