■万葉歌碑(山の井公園)
●万葉集巻十六にある「安積山影さへ見ゆる山の井の 浅き心を我が思はなくに」の歌碑が片平町の山の井公園と日和田町安積山公園内にあります。山の井公園の碑は公園の 入り口付近にあり、安積采女が身を投げたと言い伝えられる山の井の清水に隣接してあり、山の上には采女神社があります。
●近くには駐車場もありますから、風の温んだこの季節、万葉の昔に気を馳せながらちょっとした散歩に最適だと思います。
■久米正雄(開成小学校句碑)
「古里の小学校の鐘の音を
ふと聞きしより涙流るる 正雄」
●作家久米正雄は明治35年3月22日に桑野尋常小学校(現在の開成小学校)を卒業しました。小学校から安積中学を卒業するまでの間、現在の開成館一階に住んでいました。碑になった作品は、進学のため上京した久米が望郷の念をしたためた句と思われます。自筆の短冊が開成小学校に現存し、碑はその書体を模したものです。
●2月6日に表彰式の行われる三汀賞で、開成小学校は学校賞、五年の松坂君が三汀賞、三年の菅野さんが優秀賞のトリプル受賞が決まりました。まるで先人の研ぎ澄まされた魂が、今も子供たちの感性をピカピカに磨いてくれているようです。
■三谷晃一(湖南舟津公園の文学碑)
●湖南町の舟津公園、松林の中に三谷晃一の『湖南頌(こなんしょう)』の詩碑があります。
湖南から見渡す猪苗代湖の悠久を詠った詩の最後は、次のような言葉で〆られています。
「どっさりと雪の降る一日も / いつもその底に / にんげんの火が燃えているやさしい村。」
この時期、町にも雪がどっさり降るとこの詩を思いだし、雪に埋もれた湖南へ出かけたくなります。
■安積艮斎
●安積艮斎先生が生まれ育った安積国造神社の御神木跡地に「安積発祥の磐座(いわくら)」として巨石と瑞之先生の書による石標が建立されたのが2010年の秋でした。
江戸時代に漢学者として、日本の将来を見つめていた艮斎先生が生まれ育った神社の境内を、神職が竹ぼうきで丁寧に掃き清めていました。