■梨農家　谷代果樹園　谷代栄一さん　Ｓ２２年７月２５日生（６４歳）
郡山市熱海町安子ヶ島字北吉野４３−１５
●熱海町で７０年以上続く梨農家の２代目、熱海町の梨の産地化に貢献した功績が認められ２０１０年には農林大臣賞を受賞しました。
●畑は３月１１日の地震では大きな被害もなく、例年どおりに農作業は進んでいます。
梨などの果樹類は長い間手間ひまをかけて栽培していく永年作物です、１年でも作業を怠ると害虫などのまん延などでその後の栽培が出来なくなるので、梨農家を続ける限りその時々の作業を休むわけにはいかないのだそうです。
●８月下旬の「幸水」に始まり、９月上旬には「豊水」、下旬になると「あきづき」と収穫の時期が続きます。

■氷の酒「美氷」（有）渡辺酒造本店　
代表取締役会長　渡辺勝捷栄（わたなべかつえい）さん
郡山市西田町三丁目字桜内１０　☎０２４−９７２−２４０１
●渡辺酒造本店は明治創業四年五月の造り酒屋です。
●氷の酒「美氷」はフレッシュな吟造り本醸造生酒をそのまま冷凍封印したお酒です。
酒は普通の冷凍をするとアルコールと水分が分離するため、シャーベット状の美味しい酒にはならないのだそうです。渡辺酒造本店では独特な方法で冷凍させます。
●始まりは捷栄さんが若いころ消防団の夏の集まりで、酒を凍らせ皆に振舞ったのがきっかけでした。凍らせる温度が高かったために、ほとんどの瓶は美味しい冷凍酒にはならなかったのですが、その中の薄いビニールの酒だけがシャーベット状になったのでした。
これは、凍らせる時間と温度が鍵をにぎっているに違いないと確信した捷栄さん、急いで研究を始め見事に商品化に成功したのでした。
●「美氷」はサクサク、カリカリ、氷の感触を味わいながら飲む、爽やかな風味が魅力の新感覚のお酒です。開栓前に半分ほど溶かしよく振って、中身をシャーベット状にしてから開栓してグラスに注いでいただきます。氷の感触とお酒の味わいがマッチした美味しさが楽しめます。
●特許と冷凍での物流の関係で、郡山でしか味わえない夏のお酒、昨年から梅酒の製造も始め好評です。

■湖南の蓴菜（じゅんさい）　渡部良久（わたなべよしひさ）さん　S32.4.10生（５４歳）
郡山市湖南町福良字大 栗生６９２８−１☎024-992-0004
●湖南でのじゅん菜の栽培は約２０年前、減反した田んぼを利用して十数の農家が参加して始まりました。
現在は３件の農家が栽培出荷するだけになりました。
●収穫期は６月中旬〜８月中旬、渡部さんは年間約１００ｋｇのじゅん菜を出荷します。
　若芽・若葉が食用になりますが小さければ小さいほど珍重され、小粒な若芽の瓶づめは２００ｇ１０００円程度です。
●池に小船を浮かべて水面に向かい、黙々と収穫に精を出す湖南、初夏の風物詩は今も健在です。今が旬のじゅん菜、採りたてをきんきんに冷やし酢醤油でいただくのが一番なそうです。

■梅の実（西田町）　増子慶重（ましこよししげ）さん　Ｓ６．６．９生（８０歳）
西慶梅園（にしけいばいえん）　郡山市西田町三丁目字長喜田４６
☎０２４−９７１−３９１９
●国の東部開発事業により、養蚕、葉タバコに代わる農産物を開発しようと、Ｈ２年から本格的に梅の栽培を始めて21年になります。西田の梅を郡山の名産物に育て上げようと、当初は５０名ほどの生産部会のまとめ役として、Ｈ２１年まで会長を務めました。
●収穫期は６/25〜7/10頃まで、一町歩の梅畑で、年間10?ほどを出荷します。
●西慶梅園では青梅の出荷のほかに、飴玉「西田の梅玉」蜂蜜「梅の蜂蜜」等も開発加工して直売をしています。蜂蜜も梅の受粉をかねて増子さんが養蜂しています。
●４月、花の時期にはたくさんの見物客が訪れますが、６月末からの収穫期には梅狩りも体験させてもらえます。

■養鯉（有）熊田養鯉場　
熊田真幸（くまだまさゆき）さん　Ｓ１３．８．２６生（７２歳）
郡山市鶴見坦２−２−１　 TEL０２４−９３２−２１８９
●郡山で鯉の養殖の歴史は古く、安積疎水で引いた猪苗代湖水の溜め池を利用して始まりました。熊田養鯉場も明治の創業で真幸さんは三代目にあたり、ずっと酒蓋池の一角で鯉の生産を続けてきました。これがほんとの「鯉一筋」。
●当時は郡山でも養蚕が盛んで繭を取った後のさなぎが豊富で、それが鯉の餌に最適だったのだそうです。明治時代には海から遠く離れた郡山では鯉が人々の貴重な蛋白源だったのです。
●現在、鯉の生産は福島県が全国一で、その９０％以上を郡山産が占めています。弟の純幸（すみゆき）さんは県南鯉養殖漁業協同組合の組合長を務めています